大根にたとえられる体の部分は「大根足」ではなかった
大根にたとえられる体の部分は「大根足」ではなかった
大根にたとえられる体の部分はと聞かれると「大根足」くらいしかお思い浮かばない人は多いと思います。
実は、この「大根足」が表現されるようになったのは、昭和に入ってからのようで、新しい比喩表現なんだそうです。
「大根足」といえば、女性に対してかなり失礼な表現で、口にすると睨まれそうな言葉ですが、その昔「古事記」では、大根は女性のある部分を誉めるような比喩表現だったのです。
それを聞くととても意外な感じがしますが、「古事記」で登場するのがこれです。
「つぎねふ 山城女(やましろめ)の 木鍬(こくは)持ち
打ちし大根(おほね) 根白(ねじろ)の白腕(しろただむき)」
仁徳天皇が皇后に向けて詠んだ歌です。
この歌の意味は、「山城の国の女が 木の鍬で耕し作った大根 その根の白さと同じ白い腕で抱いてくれた仲ではないか」
すなわち、大根を「白い腕」にたとえているのです。